シェーナウの想い、山形の想い

先日友人からのお誘いがあり、東北公益文科大学 十日町オフィスで開催されたドキュメンタリーの上映会に行ってきました。


「シェーナウの想い」 ストーリー

ドイツ南西部にあるシェーナウ市。2500人の小さなまち。チェルノブイリ原発事故の影響は、ここシェーナウ市にもおよびました。そこでシェーナウ市の親たち数人が子どもたちを守るため「原子力のない未来のための親の会」(親の会)を結成しました。

まず始めたのが、街中に放射能から身を守るための情報を発信する情報スタンドを設置することでした。また原発依存から脱却するためには、エネルギー使用の意識変化も重要であると考え「節電キャンペーン」や「節電コンテスト」を行いました。

さらに住民グループは、シェーナウ市と独占的に契約を結んでいたラインフェルデン電力会社(KWR)に対し、原発に頼らない電力供給、エコ電力の買い取り価格の引き上げ、そして節電を促すために基本料金を引き下げ使用料金を引き上げる比例料金制度を提案しますが、冷たくあしらわれてしまいます。

そこで住民グループ(親の会)は「それなら自分たちで電力会社をつくってしまおう!」と立ち上がり、シェーナウ電力会社(EWS:Elektrizitätswerke Schönau)を発足させます。

彼らはKWRを相手に2度にわたる住民投票を勝ち抜き、シェーナウ市の電力供給の認可を勝ち取ります。しかし、電力供給を実現するためには、当時KWRが所有していた電力網を買い取る必要がありました。

シェーナウ市との電力供給契約を失ったKWRは、この電力網の引き継ぎにあたって不当なまでに多額の価格を提示します。それでも住民グループは諦めませんでした。社会目的に積極的に融資をするGLS銀行や広告会社の無償の協力、さらには人々の善意の寄付のおかげで無事電力網を手にするに至りました。

1997年、EWSは念願の電力供給を開始します。チェルノブイリ事故をきっかけにした親の会の発足から、操業に至るまで実に10年もの歳月が流れていました。

苦労も喜びも分かち合い、皆で共に支えあい、励ましあい、そして時には息抜きもしながら、EWSで働く人たちは、今日もドイツにいるたくさんの人たちに原発に頼ることのない自然エネルギーをメインとしたエコ電力を供給しています。

引用 – 映画詳細 – 自然エネルギー社会をめざすネットワーク


もう一度観たい、観てもらいたい

このドキュメンタリーをただ「反原発」の視点からしか見るのはもったいないです。

シェーナウの住民グループは市民活動を「反対」だけではなく、節電コンテストなど「前向きな行動」を長く続け、地域から高く評価され二度の住民投票に勝利しました。

そのような市民活動のやり方、地域での生き方を学ぶことができる素晴らしいドキュメンタリーでした。もう一度じっくり観たい作品ですし、機会があれば多くの方に観ていただきたいです。


参加者との振り返り

上映会が終わってから、希望者が残って作品の感想などをカフェスタイルで意見交換をしました。若い参加者の方々が帰られ、ボクの親世代で、県内各地で様々な活動をなさっている方々が参加なさいました。

話題は原発の問題に集中していましたが、参加者のそれぞれの想いが交換されました。ボクはこの作品を通して考えたこと、頭に浮かんだことを自分の言葉で皆さんに話せました。


公益大十日町カフェプロジェクト

今回の上映会は公益大十日町カフェプロジェクトというイベントのvol.2ということでした。

↓チラシより引用です。

このプロジェクトは、市民の方を含めた幅広い方々とカフェスタイルで意見交換や情報交換を行う市民プロジェクトです。2ヶ月に1回、東北公益文科大学の卒業生や大学院の修了生が中心となり、持ち回りで企画を実施しています。興味を持たれた方は、どなたでも参加できます。


今後は青年海外協力隊としてモロッコで女性の自立支援に携わった卒業生の方の帰国報告会などが予定されているとのことです。

いろいろな年代の方と話をして刺激を受けそうなことがありそうなので、今後も参加していきます。

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